大学は文化情報学部という文系、理系という括りのない学部で、統計学を元にしたデータサイエンスを学びました。絵画の色の分析、文学作品の特徴の分析といったことをデータサイエンスから見ていくといった学問です。
就職活動では当初、SIerを中心に見ていましたが、IT業界について調べてみると、セキュリティ業界が今後伸びてくる、一方で人材不足ということがわかりました。自分も技術を身に付けていけば、将来、力を持った人材になれると思い、セキュアヴェイルの選考を受けたのです。
セキュリティやITについて専門的に学んでこなかったので、他の新入社員と比べてスタート時点で遅れているのかなと若干気にはなりました。それでも、結局は長く働くことを考えれば、技術面や知識面は長期的に見たら気にしなくていいと思います。実際の業務でも知識が少ないなりに自分のできることは出来ていますし、最終的には論理的な思考といったことが重要になってくるのではないかと思います。
入社して1年目は、ヘルプデスクというお客様からの技術的なお問い合わせに回答する部署に配属されました。業務を進める上で、セキュリティの知識もさることながら、文章を書くのが苦手で意外と苦労しました。というのも、お問い合わせに対しては、筋道を立てて、お客様に理解していただけるようにメールなどの文章を組み立てなければならず、慣れるまでは大変でした。
逆に技術的な部分では、“技術はうそをつかない”と思っていて、自分自身でも成長を実感することができています。いま私が所属しているTVC(テクニカル・メディファイ・センター)では、技術的な機器の検証や、ある機能に対してどういうことができるかを検証するなど、利用するお客様サイドに立った仕事がメインです。
TVCでは、お客様に対して1年間の通信の記録や、そこでどんなことが起きたかといったことを報告書として提出します。その報告会の場で、お客様からの質問に回答するスピードが上がったりすると、自分のスキルも上がったなと実感できます。最近では、お客様環境に合わせた機器の構築といったことも任せられるようになり、1年目に担当していたヘルプデスクよりも高いレベルで仕事ができていると思っています。そう考えると、理系出身でなくとも、業務をコツコツとこなしていくことで、エンジニアとして成長することができますね。
仕事が面白いと感じることは結構あります。例えば、ヘルプデスクの仕事では、お客様から「機器が突然止まった」とか「通信ができない」など、いろいろな問い合わせがあります。ただし、私たちは一部のセキュリティ製品の運用をしているだけで、お客様の機器すべてを監視しているわけではありません。つまり、原因はうちとは関係のないお客様の通信環境にあるかもしれないのです。そこで、仮説を立て、推測して、おそらくこういう通信が通っていると考えられるから、原因はここではないかとお客様に伝えるんです。原因を言い当てられたときには、純粋に楽しいと思えます。お客様からも、「ありがとうございます!」とメールが返ってきたりして、やってよかったなと感じますね。
仕事で苦労するのは、社会人の基本でもある「報・連・相(ほうれんそう=報告、連絡、相談)」ができないときがあることです。学生時代には、そんな当たり前のことがなんでできないの?と思っていたのですが、いざ自分のことになると、意外にできないんですね。
私の担当業務でもある機器の構築では、お客様から要望をヒアリングし、見積りを出して、設定内容を決めて、数ヶ月後に実際に機器を構築しにいくという流れがあります。その中で、上司に相談せずにひとりで突っ走ってしまうことがあり、結果的に自分が2、3週間かけて進めたことがほとんど無駄だったということもありました。そういう苦い経験から、あらためて「報・連・相」を細かく行うことの大切さを学んでいます。
今後はいま任せてもらえるようになった機器の構築をしっかりと取り組みたいと思っています。それに伴って、技術的な知識もより要求されますので、コツコツと長期的なスパンでしっかりと身に付けていきたいと思っています。
オフの日にはギターを習っていて、いまはそればかりやっていますね。うちの会社は残業が圧倒的に少ないので、オフを充実させるには、とてもいい環境だと思います。普段はほぼ定時で仕事が終わりますし、繁忙期でも週に1時間から4時間程度。夜中まで仕事なんてことはありません。いまは平日でも仕事をさっと終えて、家で延々とギターを弾いてますよ。