実践記事

【初心者用】IPアドレスとサブネットマスクの基礎         ~ネットワーク内の利用可能なホスト数を計算する方法~

本記事では、IPアドレスとサブネットマスクについて初心者向けに解説します。
まず、IPアドレスが何のために使われ、どのように構成されているかを明らかにします。
そして、サブネットマスクの役割とその重要性について述べます。
さらに、ネットワーク内の利用可能なホスト数を計算するための基本的な方法を紹介します。
具体例として、ホスト数を求める問題を取り上げ、問題の解決手順を通して、理解を深めることができるようにします。

IPアドレスとサブネットマスクの理解は、ITエンジニアやシステム管理者だけでなく、一般ユーザーにとっても重要です。
まずは基礎から、学んでいきましょう。

IPアドレスとは?

まず、IPアドレスとは何なのか、
意味が類似しているMACアドレスとともに簡単に説明していこうと思います。

IPアドレス:PCなど、ネットワーク上の機器に割り当てられるインターネット上の住所

表記例:172.20.11.1(32ビットで構成)

MACアドレス:ネットワークで使う機器それぞれに割り当てられた住所

表記例:00:1A:2B:3C:4D:5E(48ビットで構成)

この説明だと、IPアドレスとMACアドレスの違いが理解できないと思います。
理解度を高めるため、もっとわかりやすく、図を使い説明していきます。

IPアドレスもMACアドレスも基本的には送り先を示す情報ですが、大きな違いとして、
IPアドレスは「最終目的地」を特定する際に使います。
MACアドレスは「次に渡す先」を特定する際に使います。
上図を参考に、AさんからBさんに荷物を届ける場合を考えます。

Aさん視点だと荷物の移動はAさん→Bさんですが、実際には、
いくつかの場所を経由してBさんに荷物が届けられます。
その「最終目的地(Bさん)」を示す情報がIPアドレスであり、
「次の受け渡す先(郵便局)」を示す情報がMACアドレスとなります。

IPアドレスの構成

IPアドレスのイメージは上記から理解できたと思います。
ここからは、IPアドレスの構成を説明していきたいと思います。
様々な用語が出てくるので、1つ1つ理解しながら、進めていきましょう。
こちらもまた図を用いて、説明していきます。

IPアドレスは、ネットワーク部とホスト部の2つの部分から成り立っており、サブネットマスクを使用して、
IPアドレスのどの部分がネットワーク部であり、どの部分がホスト部であるかを示します。

ネットワーク部

IPアドレスのネットワーク部は、そのIPアドレスが属しているネットワークを識別するための部分を示します。
上記の図だと、サブネットマスクが24ビットで示されている場合、この数字はIPアドレスの2進数表記において、
左から数えて24番目のビットまでがネットワーク部に属することを意味します。

日常生活に例えると、ネットワーク部はあなたが住んでいる地域や建物の住所に似ています。
例として、都道府県や市町村の部分に相当します。
この部分が同じであれば、同じネットワークに属すると考えることができます。

ホスト部

ホスト部は、ネットワーク内のコンピュータを識別するための部分です。
具体的には、そのIPアドレスがネットワーク内のどのコンピュータに割り当てられているかを特定します。

上記の図の場合、ネットワーク部がサブネットマスクから24ビットまでとわかるので、残りの8ビットがホスト部になります。

日常生活に例えると、ネットワーク部が住んでいる地域や建物の住所に相当するのに対し、ホスト部はあなたの家やオフィスの住所に似ています。
あなたが住む地域の郵便番号(ネットワーク部)が同じでも、家やアパートの番地(ホスト部)が違えば、それぞれ異なる場所に住んでいることになります。
同じネットワーク内であっても、異なるホスト部を持つことで、異なるデバイスや場所を識別できます。

サブネットマスク

IPアドレスをネットワーク部とホスト部を区別するために使用されます。サブネットマスクを用意することで、IPアドレスのネットワーク部を自由に設定可能です。

今回は、サブネットマスクが24ビットと設定されているので、2進数表記のIPアドレスを左から順に数え、
24ビットをネットワーク部、残り8ビットをホスト部と区別することができます。

サブネットマスクを2進数表記した「1」の部分がネットワーク部
サブネットマスクを2進数表記した「0」の部分がホスト部

ホストアドレスの割り当て上の注意点

IPアドレスには、コンピュータなどのホストに割り当てられない、特別な用途で使用するアドレスがあります。
具体的には、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスです。

ネットワークアドレス

IPアドレスにおいて、ホスト部のビットがすべて0のIPアドレスで、
ネットワークそのものを表すアドレスです。
サブネットマスクとの論理積をとることで簡単に算出できます。

ブロードキャストアドレス

IPアドレスにおいて、ホスト部のビットがすべて1のIPアドレスで、
ネットワーク内のすべてのデバイスにデータを送信するために使用される特別なアドレスです。

利用可能なホスト数を計算する方法(問題演習あり)

ここまでの説明でIPアドレスに関する理解が深まったと思います。
次に、ネットワーク内の利用可能なホスト数を計算する方法を紹介します。
この内容は基本情報技術者試験でも出題されることがありますので、
試験対策として積極的に取り組んでいきましょう。

解答方法

これにより、192.51.100.0のネットワーク内に
1022のデバイス(IPアドレス)を割り当てることができます。
サブネットマスクが32に近づくにつれて、割り当て可能なホスト数は少なくなります。
一方、32から遠ざかるにつれて、割り当て可能なホストは多くなります。

おわりに

IPアドレスとサブネットマスクの基礎を学びましたが、理解できましたでしょうか。

IPアドレスはネットワーク上のデバイスを識別するための一意の番号であり、
サブネットマスクはIPアドレスのネットワーク部とホスト部を区別するためのフィルターでした。
サブネットマスクの長さによって、ネットワーク内の利用可能なホスト数を計算することができます。
IT初心者の方々は、これらの基本的な概念を理解することから始めてはいかがでしょうか。

参考文献

[1] “「わかりそう」で「わからない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典“ . 2021
https://wa3.i-3-i.info/word173.html (参照:2024/04/26)

[2] “ネットワーク部とホスト部って? “ LIVRA . 2020
https://livra.geolocation.co.jp/iplearning/173/ (参照:2024/04/26)

[3] “『IPアドレス』とは?わかりやすく仕組みや確認方法、個人特定のリスクなどを解説“ KDDI . 2021
https://time-space.kddi.com/ict-keywords/20200930/2984.html (参照:2024/04/26)

[4] “IPv6・IPv4とは?違いや移行する際の注意点も紹介 “ 情シスマン . 2023
https://www.gate02.ne.jp/media/it/column_97/  (参照:2024/04/26)

[5] “【基本情報技術者試験YouTuber】すーさん “ . 2022
https://www.youtube.com/watch?v=LNcqBWTJqBw&list=PLEuyFWEF8u0Nb6K99biC17XPfrkEBHn_s&index=3 (参照:2024/04/26)
https://www.youtube.com/watch?v=xB8g3V_P9Lo&list=PLEuyFWEF8u0Nb6K99biC17XPfrkEBHn_s&index=4  (参照:2024/04/26)

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