当記事ではCatalystスイッチにおけるネイティブVLANの説明と設定方法について記載します。
目次
ネイティブVLANとは
ネイティブVLANは、トランクポートを通過するタグなしのフレーム(VLANタグがついていないフレーム)が所属するVLANのことです。通常、デフォルトではVLAN1がネイティブVLANとして設定されています。
アクセスポートでは1つのVLANのみ接続されているポートであるため、VLANタグは必要ありません。
しかし、複数のVLANが設定されているトランクポートでは、VLAN IDの識別が必要です。
この識別を行うためにVLANタグが付加され、同じVLAN同士の通信が実現されております。
タグ付きのフレームの詳細
フィールド | ビット数 | 説明 |
TPID(Tag Protocol Identifier) | 16bit | IEEE802.1Qフレームであることを受信側に示す情報。 |
PCP(Priority code Point) | 3bit | IEEE802.1pで定義されたフレームの優先度を示す情報 |
CFI(Canonical Format Indicator) | 1bit | アドレス形式を示す情報 |
VID(VLAN Identifier) | 12bit | VLAN IDを示す情報 |
ネイティブVLANの動作(ネイティブVLANを10に設定)
タグなしフレームを正しく処理するためには、トランクリンクの両端でネイティブVLAN IDを一致させることが重要です。
一貫したネイティブVLAN設定により、ネットワークの整合性と安全性を確保し、誤送信やループの発生を防ぐことができます。
ネイティブVLANの設定方法
以下は、2つのスイッチでトランクポートのネイティブ10に設定する例です。
上記の環境図を用いる。
ネイティブVLANの設定(スイッチ1)
Switch(config)#interface FastEthernet0/3 Switch(config-if)#swichport mode trunk Switch(config-if)#swichport trunk native vlan 10 Switch(config-if)#swichport trunk allowed vlan 10,20 Switch(config-if)#switchport nonegotiate
※スイッチ2にも同様にネイティブVLANを設定する
設定の確認
Switch#show interfaces fastethernet[番号] switchport
この出力により、両端のトランクポートでネイティブVLANが一致していることを確認できます。
まとめ
本記事では、catalystスイッチにおけるネイティブVLANの設定方法について、
具体的な環境を例に挙げて紹介しました。
ネイティブVLANは、トランクポートを通過するタグなしのフレームが所属するVLANのことでした。
設定を行う際は、トランクリンクの両端でネイティブVLAN IDを一致させることが重要です。
設定手順は特に難しくありませんので、ぜひ活用してみてください。
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