本記事では、Linux上にインストールしたLogStare Collector(以下、LSC)をsystemctlコマンドから起動する方法を紹介します。
※本手順におけるsystemdを利用したLogStare Collecotorの起動、終了方法については、
お客様責任において実施頂ますようお願いいたします。
Unitファイルの内容やsystemdを通じて起動/終了できない場合の対処方法等については、
LogStare サポート窓口でお答えできない場合があります。
目次
設定環境
本記事で使用する環境は以下の通りです。
OS: AlmaLinux release 8.5 (Arctic Sphynx)
LSCバージョン(Linux版):v2.2.1
JAVAバージョンOpen :JDK 17.0.1
本記事で使用するLSCは、ホームページにて詳しい説明があるため、LSCに興味を持っていただいた方は、ぜひ以下のWebサイトをご覧ください。(デモサイトや無料版をダウンロードできます)
https://logstare.com/logstarecollector/
なお、LSCのインストール方法については以下の記事をお読みください。
・LogStare Collectorインストールからアンインストールまで Linux版
https://www.secuavail.com/kb/references/ref-200812_01/
設定方法
設定手順は以下の通りです。
- Unitファイルの作成(サービス登録)
- 設定読み込み
- 登録確認
- 起動/停止
Unitファイルの作成(サービス登録)
/etc/systemd/system/配下にlsc.serviceを作成します。
# vi /etc/systemd/system/lsc.service
lsc.serviceは以下のように記述します。
[Unit] Description = The LogStare Collector [Service] Type = simple ExecStart = /usr/local/logstarecollector/sbin/start_kallista.sh start ExecStop = /usr/local/logstarecollector/sbin/stop_kallista.sh stop Restart = always RemainAfterExit = True [Install] WantedBy = multi-user.target
Unitファイルの内容については以下の通りです。
- Description = The LogStare Collector
systemctl statusコマンドを実行した際にサービス名の横に表示される文章です。
本設定では以下の画像のように表示されます。
- Type = simple
Typeオプションは、サービスの起動タイプを設定します。
simpleの場合、記述が無くてもデフォルトで設定されるため、記述は必須ではありません。 - ExecStart = /usr/local/logstarecollector/sbin/start_kallista.sh start
サービスを起動するためのコマンドを設定します。
本設定では、LSCの起動スクリプトを指定しています。 - ExecStop = /usr/local/logstarecollector/sbin/stop_kallista.sh stop
サービスを停止するためのコマンドを設定します。
本設定では、LSCの停止スクリプトを指定しています。 - Restart = always
何らかの形でサービスが終了した際に、自動で再起動をする設定です。
alwaysの他にnoやon-failureなどを設定できます。 - RemainAfterExit = True
サービスのプロセスが全て終了してもactiveの状態にします。
記述なしのデフォルトの場合は、Falseです。 - WantedBy = multi-user.target
enableでサービスを自動起動設定する場合のrunlevelを設定します。
設定読み込み
作成したUnitファイル「lsc.service」をsystemdに認識させるために、以下のコマンドを実行します。
# systemctl daemon-reload
登録確認
以下のいずれかのコマンドを実行し、systemdがlsc.serviceを認識できたか確認します。
# systemctl list-unit-files | grep lsc.service # systemctl list-units --t service | grep lsc.service
実行結果として、lsc.serviceが表示されていれば、サービス登録成功です。
自動起動設定
OS起動時に、LSCが自動起動するよう設定します。
なお、本設定は必須では無いため、お使いの環境に合わせて設定を行ってください。
# systemctl enable lsc.service
自動起動をオフにする場合は、以下のコマンドを実行してください。
# systemctl disable lsc.service
起動/停止
LSCを手動で起動します。
# systemctl start lsc.service
以下のコマンドを実行し、ステータスの確認を行います。
# systemctl status lsc.service
Activeの項目に「active(exited)」と表示されていれば問題ありません。
また、Webブラウザを起動し、LSCのIPアドレス/FQDNを検索した後、ログイン画面が表示されているか確認しましょう。
以下のログイン画面が表示されたら、起動成功です。
なお、LSCの停止には以下のコマンドを実行します。
# systemctl stop lsc.service
Webブラウザでログイン画面が表示されない場合
firewalld.serviceが起動している場合、通信がブロックされている可能性があります。
その場合はhttpで使用するポートを開放しましょう。
また、監視対象からsyslog転送の受信を行う際に514/udpを使用するため、同時に開放しましょう。
ポート開放の方法については以下の記事をお読みください。
https://www.secuavail.com/kb/tech-blog/tb-210324_03/
以上のポート開放が完了したら、もう一度Webブラウザを起動し、LSCのログイン画面が表示されるか確認しましょう。
まとめ
以上で、設定は完了です。
もしよろしければ本記事の設定を行い、より良いLSCライフをお送りください。
参考資料
[Linux女子部 systemd徹底入門, 2013]
https://www.slideshare.net/enakai/linux-27872553
[Systemd入門(4) - serviceタイプUnitの設定ファイル, 2013]
https://enakai00.hatenablog.com/entry/20130917/1379374797
[これからSystemd入門する, 2019]
https://qiita.com/bluesDD/items/eaf14408d635ffd55a18
[systemdを書く。(systemctlコマンドに登録する), 2018]
https://qiita.com/ajitama/items/cef927da8520e39f9aed
[systemdでプロセス自動再起動, 2019]
https://tex2e.github.io/blog/linux/systemd-restart-config
[10.6. SYSTEMD のユニットファイルの作成および変更, 日付不明]
https://access.redhat.com/documentation/ja-jp/red_hat_enterprise_linux/7/html/system_administrators_guide/sect-managing_services_with_systemd-unit_files
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