当記事では、ZabbixヒストリデータをLogStare Collector(以下、LSCと記載)にて収集する方法についての説明を記載します。
目次
概要
Zabbix4.0以降より実装されたリアルタイムエクスポート機能にて出力されたヒストリーデータをログフォワーダー「okurun.jar」を利用してsyslogメッセージとして発信し、LSCにて受信します。「okurun.jar」の入手先及び概要については、以下の記事をご参照ください。
ログフォワーダー「okurun.jar」について
前提条件
- 当記事ではZabbixの具体的な構築手順については記載しません。
- 弊社フォワーダーはjavaにて動作します。OpenJDK等事前にZabbixサーバへインストールしてください。
- 当記事の記載内容は下記環境にて実施したものです。
- 当記事の手順はすべて管理者権限にて実施しています。
Zabbixサーバ
Zabbixバージョン | 5.0 |
OS | RHEL8 |
メモリ | 2GB |
CPU | 2コア |
JAVA | OpenJDK15 |
LSCサーバ
LSCバージョン | 2.1.0 |
OS | CentOS7 |
メモリ | 4GB |
CPU | 2コア |
JAVA | OpenJDK14 |
設定(Zabbix側)
ExportDirの設定
- ヒストリデータの出力先を作成します。当記事では、/var/log/zabbix_data配下にヒストリデータを出力します。
# mkdir /var/log/zabbix_data # ls /var/log ~省略 zabbix_data ~省略~
- zabbix_dataディレクトリの所有者をzabbixに変更します。
# chown zabbix /var/log/zabbix_data
- Zabbixを停止後zabbix_server.confを編集し、「ExportDir」にて出力先を指定します。
# vi /etc/zabbix/zabbix_server.conf ~省略~ ExportDir=/var/log/zabbix_data ~省略~
- Zabbixを再起動後、/var/log/zabbix_data配下を確認しデータが出力されているかを確認します。
# ls /var/log/zabbix_data/ history-history-syncer-1.ndjson problems-history-syncer-4.ndjson history-history-syncer-2.ndjson problems-main-process-0.ndjson history-history-syncer-3.ndjson problems-task-manager-1.ndjson history-history-syncer-4.ndjson trends-history-syncer-1.ndjson history-main-process-0.ndjson trends-history-syncer-2.ndjson problems-history-syncer-1.ndjson trends-history-syncer-3.ndjson problems-history-syncer-2.ndjson trends-history-syncer-4.ndjson problems-history-syncer-3.ndjson trends-main-process-0.ndjson
「okurun.jar」の準備
- 任意のディレクトリに「okurun.jar」を配置します。当記事では、/usr/local/配下に配置します。
# pwd /usr/local # ls okurun.jar
ヒストリデータの送信方法
- 「okurun.jar」を配置したディレクトリに移動します。
# cd /usr/local/ # ls okurun.jar
- 「okurun.jar」を実行します。当記事では、/var/log/zabbix_data/配下のhistory-history-syncer-1.ndjsonが「okurun.jar」の対象となるファイルです。当記事では、LSC(192.168.100.1)にudp/514でファシリティ「LOCAL1」プライオリティ「INFO」にて転送する場合のコマンドを記載します。※最後のアンパサンド(&)はバッググラウンド処理させるためのものです。
# java -jar okurun.jar /var/log/zabbix_data/history-history-syncer-1.ndjson UTF-8 udp 192.168.100.1 514 INFO LOCAL1 N N &
- 上記コマンド実行後、バックグラウンド上で「okurun.jar」が起動します。
フォワーダーの停止方法
- フォワーダーはkillコマンドにて停止します。まず、「okurun.jar」のプロセスIDを確認します。
# ps -ef ~省略~ root 10661 9727 0 02:00 pts/0 00:00:05 java -jar okurun.jar /var/log/zabbix_data/history-history-syncer-1.ndjson UTF-8 udp 192.168.100.1 514 INFO LOCAL1 N N root 10688 9727 0 02:01 pts/0 00:00:05 java -jar okurun.jar /var/log/zabbix_data/history-history-syncer-2.ndjson UTF-8 udp 192.168.100.1 514 INFO LOCAL1 N N ~省略~
- 停止したい「okurun.jar」のプロセスIDを確認し、killコマンドにて停止します。今回はhistory-history-syncer-2.ndjsonのヒストリデータ転送を停止します。
# kill -9 10688
- 停止した「okurun.jar」のプロセスIDが存在しないことを確認します。
# ps -ef ~省略~ root 10661 9727 0 02:00 pts/0 00:00:05 java -jar okurun.jar /var/log/zabbix_data/history-history-syncer-1.ndjson UTF-8 udp 192.168.100.1 514 INFO LOCAL1 N N ~省略~
設定(LSC側)
基本設定
- フォワーダーにて転送されたメッセージを「SYSLOG収集」にてLSCで受信します。「SYSLOG収集」につきましては、以下の記事をご参照ください。
SYSLOG収集 - 「SYSLOG収集」にて利用されるポート番号はデフォルトでtcp/udp共に514となっています。フォワーダーにてポート番号を514以外に設定した場合、環境設定より「SYSLOG収集」にて利用されるポート番号を変更することで514以外のポートで「SYSLOG収集」が可能となります。環境設定につきましては、以下の記事をご参照ください。
LogStare Collector における環境設定について
活用例
- 弊社クラウド基盤と連携することでZabbixヒストリデータのレポートを生成することが可能となります。
クラウド基盤との連携方法並びにレポート生成につきましては、以下の記事をご参照ください。
(閉鎖:2024/07/10)LogStare Collector のNetStare Suite 連携トライアルにおけるチュートリアル
Zabbixヒストリデータのレポート生成について
以上でZabbixヒストリデータをLSCにて収集する方法についての説明は終了となります。
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